こどもの矯正歯科

歯並びが悪くなる理由について考えたことはありますか？原因は一つに限らず、いくつかの要因が考えられますが、現代人に特に多いのが「歯の大きさ」に関係しています。

実は、私たちの歯は昔と比べて大きくなっています。しかし一方で、顎は以前よりも小さくなっているのです。

その背景には、私たちの食生活があります。
栄養状態の向上により歯はしっかり成長しますが、柔らかい食べ物が増えたことで咀嚼回数が減り、顎の成長が不十分になっています。

結果として、小さな顎に大きな歯が生えることで、歯が並ぶスペースが足りず、歯が重なり合ってガタガタになってしまうのです。

「床矯正」とは、顎の骨を拡大するための治療法です。取り外し可能な「入れ歯」のような矯正装置を使用します。数週間ごとにネジを調整して装置を拡大し、徐々に顎を広げていきます。

この方法で歯が並ぶスペースを確保することで、永久歯が生える際のスペース不足による歯並びの乱れを防ぐことができます。また、より本格的な矯正治療が必要な場合でも、抜歯を避けられる可能性が高くなります。

「プレオルソ」は、マウスピース型の矯正装置で、歯を直接動かすのではなく、口周りの筋肉を鍛えることを目的としています。主に3歳から10歳くらいの子どもが対象です。

口の筋肉、舌、頬、唇の力のバランスが崩れると、歯並びが悪くなることがあります。この装置を使用してそのバランスを整え、正しい歯並びを保つための習慣を身につけることを目指します。結果として、歯が本来あるべき位置に自然に導かれます。

「マイオブレース」は、歯並びや顎の成長をサポートするマウスピース型の矯正装置です。
子どもの成長期に使用されることが多く、歯そのものを動かすのではなく、口周りの筋肉や呼吸、姿勢を改善し、歯並びに良い習慣を身につけることを目指します。取り外し可能で、毎日数時間の装着と簡単なトレーニングを組み合わせて使用します。

「口腔筋機能療法」とは、口周りの筋肉をバランスよく鍛えるためのトレーニング法です。多くの親御さんが口周りの筋肉をあまり重視していませんが、実は子どもの歯並びにおいて、これらの筋肉を鍛えることが非常に重要です。

筋肉のバランスが崩れると、出っ歯や受け口、開咬の原因になることがあります。例えば、舌が前歯を押し続けると、歯が前に出て出っ歯になります。口腔筋機能療法では、舌や唇、頬の筋肉を整えて鍛え、バランスの崩れによる歯並びの悪化を防ぎます。

また、口呼吸や歯周病、ドライマウスの改善にも効果があります。

当院では、矯正治療専用のレントゲン装置「セファロ」を導入しています。歯や顎だけでなく、頭部全体を正面と側面から撮影することで、歯の動きを数値的に把握し、治療の精度を向上させることが可能です。

歯並びの悪さは、思春期の子どもにとってコンプレックスになることがあります。歯並びを気にして笑顔が減ったり、内向的になってしまう子どももいます。そうなる前に歯並びを整えることで、コンプレックスを解消してあげることができます。

さらに、出っ歯や受け口、乱れた歯並びを改善すると、顔の輪郭がすっきりすることもあります。

歯並びの悪さから、歯ブラシでのケアがしづらいということがあるかもしれません。磨き残しがあると、虫歯や歯肉炎になりやすいです。矯正治療で歯並びを整えると、ケアもしやすくなり、虫歯や歯肉炎のリスクも減らせます。口臭などの改善にもつながります。